狐と兎

キルシュはプリプリと怒りながらも、

ハルトに食べさせてあげようと彼女の家直伝のお粥を作ろうと薬草を探していました。


「えーっと、これだったよね?」


その辺りに生えている、下手したら雑草とも見て取れかねない草を摘みながら、

キルシュは着々と薬草を集めて行きました。

足りない物もありましたが家に戻ればストックがあるだろうと思い、

キルシュは作業を終わらせました。気付けば陽はもう沈みかけていました。

彼女だけではなく景色すらも赤く染める、橙色の光でした。


「ただいまー」


キルシュが家に戻れば、真っ先に彼女を心配したの母親でした。


「おかえりなさ……って、泥だらけじゃないの!? どうしたの?」


驚く母親のシューテにキルシュは事情を説明しました。