ドアももう破られるとドアを泣きながら見守る俺は、偶然にも発見する。ヘルメスだ。

「ヘルメスだろお前の影が見えたぜ、さぁ、出てこいよ。今度は俺はお前たちに手を貸すよ。一緒に世界の混乱を止めよう。お前たちか望むように俺のちからを使っていい、だから助けてくれ。」

俺は台所にあったガラスのコップに向かって独り言をいった。

けれど朝日がガラスを透けとおり飲み残したミネラルウォーターに乱反射してかべにあたる光のプリズムのなかにひて影を見ていた。

「ほう、腐っても救世主というのは恐いものだな。まさか、この状況で言い当てるとは思わなかった。このまま見殺しにしようと思っていたが・・・面白い・・・」

七色のプリズムが部屋のなかを這いずり回り、重たい影となって俺のうえにのしかかる。

「苦しいか!恐怖に慄いているか?お前に住み付いた虚には間違いがなかったな。おまえのきっかけをことごとく無効に導いてくれたからな。お前がこの現実に腐ってくれてよかったよ。アテネもお前に企んで時空をいじったが結果としてお前はこんな有様。このまま息の根を止めてやる。」

ベットを突き抜け地表を割り俺は光の中にのしかかられた。
七色の影は俺を地球の鉄にしてしまうほどの重みをかけてきたのだ。

俺のカラダは焼けた。
摩擦で肉体は崩れ、骨はぼうぼうと焼けていた。