そんな俺に一通の手紙が届いた。
子供が書いたようなへたくそな字で俺に宛てられた手紙だ。

可笑しなことに送り主が俺の名前になっていた。

「誰かの悪戯なのか?」俺は訝しがった。

封を解き、手紙を取り出して読んでみた。
書かれている内容からして子供のときに俺が未来への自分に宛てて書いている手紙らしい。
だが、俺はその手紙のことをまったく憶えてはいなかった。

自身の記憶のない手紙の内容はこうだった。

「忘れた夢と希望をとりかえそう!小さな魔導師と美しい男と一緒に夢と希望を探しに行こう。おるには、夢と希望の地図がある。」

たった数行しか手紙には書かれていなかった。

「腹立しい手紙だ。夢?希望?意味が分からない。」

過去の自分にそんな大きな自分がいたか?
まったく自分を疑ってしまう。
俺はそんな自分に恥ずかしさを感じ、赤面していた。

俺はその手紙をごみ箱に放って捨てた。

「そんな自分は過去のうちには知りませーん、おりませーん。」