カシャンッという音を立ててリングは床に落下した。

ざあっと強い風が吹いて、その場にいた人々を銀色のオーラが取り囲んだ。


「私はフィリシア・キリト・ラチェスタ。


月族は滅びたけど、完全じゃない。


闇族の思いどうりにはさせない。」


まっすぐ、ゼオの深紅の瞳を見据えて言った。


リングが外れた途端、フィリシアからはとてつもない魔力がにじみ出ていた。