鼓膜が破れてしまうのではないかと思うほどの音に耳を塞ぐ。


身体を起こしているのがやっとの状況の中、空間に亀裂が走った。


「―――っ、なんだ!?」


ユウが叫んだ。


と同時に、空間から右手が現れた。


そして、上半身が現れた。

レガートは息をのんだ。


信じられない光景に目を丸くする。


全身から汗が吹き出るのが感じられた。


やがて、亀裂からは全身が現れ、亀裂は閉じた。


地震も収まった。