「何で俺なの?」


ユウやミシャにだって扱える可能性はあるように思えた。


二人の魔力もそれだけのレベルがある。


それに、何故族長であるレガートではないのだろうか。


「私を信じなさい。」


優しい顔をしてレガートはそれだけ言った。


「アヤト、お前に報告しておくことがある。


月族の族宝のことだ。」


そう言ったとき、水晶球の中に眠る少女がピクッと反応したが、二人は気付くことなく話を進める。