蒼い太陽

「そんな…最初から?どうしてすぐに始末しなかったのですか!」


ミシャが涙を流しながらレガートに訴える。


「君を信じていた。太陽族と生活していく中で、自らに課せられた使命のために働く意志だけでなく、君自身の意志が育つことを信じていた。

そして…君は私の信じたとおり、自分の意志を育んでくれた。
使命のために働く意志と必死に闘う君を見ていた…とても苦しい思いをさせてしまったのだと、私は少し反省していたのだ。」


レガートがそこまで話し終えると、ミシャは瞳を閉じ涙を拭くとフッと軽く自嘲気味に笑った。


「さすが族長ですね…全て、わかっていて私を泳がせていたのですか。

太陽族として生きていく中で闇族に情報を流していたことも、中から結界を破り闇の長を城に侵入させたことも、フィリシアを闇族に仕立てようとしたことも…」


そう言って、ミシャはフィリシアに向き直った。


フィリシアはどういう顔をしたら良いのかわからず、たじろぐ。


「レガート様。あなたがそこまで感づいているのならば、知っている筈です、私が…本当は何なのかを。

どんな存在なのかを。」


フィリシアを見ながら、ミシャは先程とは異なりはっきりとした声でレガートに話しかけた。

レガートは沈黙することで肯定の意を示したがフィリシアには何をいっているのかわからなかった。


「ミシャ、何を言っているの?」


「私と戦いなさい、フィリシア。」


ミシャの言っていることをすぐに飲み込む事ができなかった。

フィリシアとミシャの間にピリピリとした沈黙が走る。