蒼い太陽

ミシャはにいっと笑うと再び両手に黒い雷を纏い始めた。


途端に、辺りには冷たい空気が流れフィリシア達を取り囲む。

今度は、先ほどとは比べものにならない程に闇の魔力が込められているのだとフィリシアにはわかった。


ミシャが今まさにその雷をアヤトに放とうとしたその時、フィリシアの全身に焦燥感が満ちた。


アヤトを傷つけないで――!!

その思いが、フィリシアを動かした。


アヤトの前に周り、月の魔力を使おうと両手に魔力を集中させた。


後ろからは、アヤトが大きく息を呑む様子が伝わってくる。


そしてついにミシャがぶんっと手を振り落とした。





―――しかし、ミシャの手から雷が放たれることはなかった。

何故か、ミシャの雷はパアンッと弾け飛んでしまったのだ。


「何!?」


叫んだのはミシャだった。