蒼い太陽

「―――ッキャア!!」


ダリアが小さく悲鳴を上げ、ついに泣き出してしまった。


ユウがさっと腕でダリアの視界を遮るも、もう遅かった。


そこには瓦礫に埋もれるように剣士たちが無残な姿で横たわっていた。


ピクリとも動かない、まるで人形のような彼らが恐怖を露わにした真っ白い表情で倒れていた。


「酷い…」


フィリシアが呆然と漏らす。


ミシャはこの瓦礫の舞う中でかすり傷一つ追わずに立っていた。


くるりとフィリシア達の方へ振り向くその顔は、信じられないことに…笑っていた。


今この瞬間に大勢の命を奪った者とは思えない程、綺麗な顔でにいっと微笑んでいた。


「あまりにもまともに魔法をくらってくれるんだもの。びっくりしちゃったわ。」


ニコニコとそう言うと、ミシャはフィリシア達の方へと歩いてくる。


アヤトは素早く反応してフィリシアの前に出ると、フィリシアを庇うようにして剣を向けた。

自分に向けられたら剣先を、ミシャはじっと見つめると再び両手に黒い雷を纏い始めた。


途端、辺りには冷たい空気が流れ始める。


闇の気配がフィリシア達の身体を撫でるように纏わりついてきた。