「わぁ、すごい――――…!」

絵画の間に来たフィリシアは目の前に広がる光景に感動していた。


凝ったデザインの施されている絨毯の敷かれた広いその部屋は高い天井にも壁にも豪華な装飾がなされており、壁には巨大な絵画の数々が飾られていた。


入り口付近に飾られた絵画は昔の物だろうか、色褪せてきているのもあった。


すこし埃くさい、その部屋な歴代の族長たちの絵画が飾られていることからか、どこか荘厳な空気が流れている。


「こっちが太陽族、こっちが星族、あっちが月族…」


と、ダリアがフィリシアに説明して回る。


歴代のどの族長も、威厳たっぷりだ。


「そして、ここが歴代の闇族の族長たち。」


ユウが、笑顔とも真顔とも取れない表情でフィリシアに説明した。


「歴代の、闇族…」


巨大な絵を見上げると、歴代の闇族長がフィリシアを見下ろしているようだった。


思わずぞくっとしたものがフィリシアを駆けめぐる。


髪の色はヒトそれぞれだが、皆共通して、深紅の瞳をしていた。


闇族の特徴なのだろうか。


「フィリシア、こっちよ。最近の絵画は奥の部屋にあるはずだわ。」


ダリアを見ると、部屋の奥にもう一つ、部屋があるようだった。


扉はないが、入り口らしきものがありダリアがそこへ入っていく。


「さ、行こう。」


ユウに促され、フィリシアはダリアの後に続いた。