「―――――…何が起こっているんだ?」


アヤトは目の前の光景に圧倒されていた。


久々に訪れた泉の間。


これまでどんな時でも沈黙を守っていた泉の間の巨大な水盆。

それが、アヤトが訪れるとまるでアヤトを認識したかのように水が轟々と唸りを上げた。


水はバシャバシャと大きな音を立てて部屋一面に激しく水飛沫をあげる。


気がつくとアヤトはずぶ濡れだった。


「水に触れたのに、命を奪われないのか。」


アヤトはレガートとの会話を思い出していた。


“―認められた者以外が触れるとたちまち命を吸い取られてしまう…”