こんな事態を引き起こしてしまったのにも関わらずそれを咎めるどころか、庇い立てしてくれた。


申し訳なさと、嬉しさの葛藤の中でフィリシアは何度も心の中でありがとう、と呟いていた。


「さ、行きましょうダリア。ミシャもアヤトも、フィリシアは少し残ってね。


レガートが話したいみたいだから。」


リリは3人を導いて去っていく。


ダリアはにこりとフィリシアに手を振り、アヤトはぽんと頭に手を置いた後、リリについていった。


ミシャは…一瞬フィリシアと目を合わせたあと、ふいと視線を反らしていった。


「ミシャ…」


誰にも聞こえない程の小さな声で、フィリシアはそっとミシャの名を呼ぶ。





「―――フィリシア。」