「フィリシア、サダはきっとまだお前を疑ってる。あいつには気をつけろよ。


あいつは、簡単に自分の意志を曲げない奴だ。」


ユウがフィリシアを見てそう言った。


「うん、分かった。ありがとう。」


「レガート様、俺はもう行きます。サダが妙な真似をしないように見張りでもしますよ。」


ユウはそう言うと、ひらりと台座から降りてフィリシアの横を通り過ぎ、去っていった。


通り過ぎ間際、「俺もフィリシアを疑ったりしないよ。」


と、ふわりと笑っていた。


「レガート様…。」


フィリシアはレガートに向き直る。


レガートはにこりと笑ってフィリシアに答えた。


「ありがとうございます。」


フィリシアは視線を下に落としてそう言うことしか出来なかった。