「…いよいよ本格的に動き出した…な。」


レガートが独り言のように漏らす。


奥にいたダリアとリリも表に出てきた。


「いよいよ…ね。」


リリもそう言ってダリアの肩に手を置いた。


「母様、どういうこと?」


ダリアがリリを見上げて尋ねる。」


「動き出すわ。闇が、今までとは比べものにならないくらいに。」


リリの表情は少し強ばっていた。


そんなリリは滅多に見られるものではなく、ダリアは自分の中にじわじわと不安が広がっていく感覚にぞくっと身体を震わせる。