他の剣士たちも困惑した表情を見せている。


「簡単なことだ。他に闇族はいる。」


アヤトがそう言い切った。


その言葉に、大広間はざわっと大きくどよめく。


「皆落ち着きなさい。サダ、今まで通り結界の境界に現れる魔物の討伐とともに、城内に怪しい動きがないかよく見ておいてくれないか?」


レガートが優しくそう諭す。


「かしこまりましたレガート様!お任せ下さい。」


サダは深々とお辞儀をした。


「お前たちも、もう下がりなさい。」


剣士たちはレガートに頭を下げたあと、皆大広間から去っていった。


フィリシアは剣士たちを最後の一人が見えなくなるまで見送っていた。


やがて、大広間の張りつめていた空気は解けた。


「…ん〜疲れた。俺やっぱあの空気嫌い。」


ユウがべえっと舌を出してさも嫌そうな顔をした。