にっこりと、レガートは笑った。


隣に立つユウとミシャもぽかんとしている。


「今のフィリシアからは何の気配もしない。


するわけがないのだ。 サダ、何の気配も持たない者から闇の気配だけするわけはない。


元々フィリシアは月族だ。他の種族ではない、それは私が保証する。


あの場でフィリシアが闇の力を行使したとしたら、闇族の気配と共に月族の気配もあるはず。」


「…月が闇に飲まれた。」


フィリシアは後ろを振り向き、サダを見据えた。


フィリシアの紫の瞳に見つめられたサダは不覚にもドキリとしてしまう。


「なに?」


それを悟られまいと、サダは表情を繕う。