フィリシアはそんな剣士達を気にも留めずに、レガート達の方へと歩く。


その足取りはしっかりとしている。


アヤトはそれが逆にとても心配だった。


心配そうなアヤトを横目で見ていたユウは、不思議そうに首をかしげた。


「…お騒がせしてすみません、レガート様。」


台座の前まで来たフィリシアは片膝を折り跪いてそう言った。

頭を下げた際に長い蒼銀の髪がさらりと床に落ちる。


後ろの剣士達はフィリシアの言葉を一つも聞き逃すまいと、じっとこちらを見ている。


「私は、あの場を弁解するつもりはありません。


あの状況では誰が見ても私が闇の力を使ったようにしか思えないでしょう。」


「フィリシア、頭を上げなさい。」


レガートは優しくフィリシアにそう言った。


そう言われ、ゆっくりと顔を上げ、レガートを見る。


その時にちらりと、ミシャを窺った。