一人の剣士が訝しげに話し始めた。


中年の、中庭でフィリシアを捕らえようとした剣士だ。


「あの月族は闇族と通じております!!城の者どもも、あの時に感じた闇の気配に怯えているのです。」


剣士は真っ直ぐにレガートを見つめていた。


「あの者を野放しにしておくのは危険です!」


「…」


レガートは何も言わず、剣士をみていた。


「…っ、何故何もおっしゃってくださらないのです!アヤト様!!」


突然話をふられたアヤトはつと、剣士を見やる。


「あの月族はどこですか?!」


「…それを聞いてどうする。」


アヤトのその言葉に、剣士はぐっと言葉を詰まらせた。


やがて、レガートが一つため息をつき、重い口を開いた。