はっと、フィリシアは目を覚ました。
ゆっくりと起き上がりベッドから抜け出す。
再びアヤトの部屋で眠りについてからどれほど時間が経ったのだろう。
そこにアヤトの姿は無かった。
「どこに行ったんだろう…キュイキュイも…」
中庭でミシャとのやり取りが始まった前後から、そばにいた筈のキュイキュイの姿が見られないのだ。
多少の寂しさを覚えつつ、フィリシアは部屋から出た。
カチャリと、後ろでドアに鍵がかかる音がする。
「…行かなきゃ。」
そう呟くフィリシアの顔はしっかりと、前を見据えていた。
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