………真っ暗。


またあの夢だ。


泣いている女性の声がする。


どこから…―――。


フィリシアは歩く。


上も下もない暗闇の中、どこへ向かっているのかもわからないまま、声のする方へと歩いていった。


「ごめんなさい…」


ふと気がつくと、フィリシアの目の前に例の女性がいた。


前と同じように、細い肩を震わせながら泣いている。


顔は両手で覆われているためわからない。


カタカタと震えているその女性を見ていると、なんだかこちらまで悲しくなってくる気がした。


「あの…」


そう言いかけて、フィリシアはあることに気がついた。