魔力が無くなった者はやがて………――



命を落とすということを。




「ねぇアヤト。」


フィリシアはそっと手をアヤトの背中に回した。


「―――…大丈夫。簡単に消えたりしない。


私には使命がある。」


アヤトから少し離れ、にこっと笑ってみせた。


そのフィリシアの表情を見たアヤトは少しの間もの難しげな顔をしながらフィリシアを見つめていたが、


やがてふっと、視線を下に落としながら軽く笑い返した。