「他に魔力を補充する方法はないのか?」


アヤトが切なそうにフィリシアを見つめる。


「…」


フィリシアはかすかに微笑むだけで何も言えなかった。


「どうしてすぐに言わなかったんだよ…」


アヤトがため息混じりに言う。

「これ以上迷惑かけたくなかった。


原因、はっきり知らなかったしね。ダリアにだけはバレちゃった。


言わないでって言ったのは私だから、ダリアには何も言わないであげて。」


「魔力を失った者は…」


アヤトはそこまで言うとグッと、掌をキツく握りしめた。


「アヤト…」




「――――嫌だ。」