「本気を出して、闇族を探す。

今まで無意識に城の中に注意を払っていなかったようだ。


かすかだが、闇族の気配は確かにある。


必ず、見つけ出してみせる。」

「っアヤト!」


フィリシアは衝動的に、アヤトの服の袖をつかんだ。


「なんだ…?」


きょとんとした顔をして、アヤトはフィリシアを見る。


「気をつけて……」


闇族は、ミシャだ。


アヤトを愛してると言ったミシャ。


本気だった。


悲しいくらいに、本気だった。

フィリシアは、底知れぬ不安にかられていた。


アヤトを手伝いたくとも、今の魔力が足りないフィリシアではどうする事もできない。


それが、どうしようもなく悔しかった。