「――――っ待って!!」 がばっと、フィリシアは横になっていたベッドから勢い良く起き上がった。 が、急激な眩暈を覚えて再びベッドにどさっと倒れ込む。 弓の刺さった右肩の傷も鈍く痛んだ。 「う…」 ぐわんぐわんと大きく視界が回り、思わず唸り声をあげる。 瞳には見たことのない天井が映る。 …ここは? 確か、闇の気配を追って中庭まで行って… 月光浴をしようとしたけどダメで… ミシャが…