「なんだ、思ったより全然手応えない奴だな。


おい、地下牢に連れていけ。あの地下牢では魔力も通じない。」


気を失い倒れているフィリシアを見て、中年の剣士が若い剣士たちに命令を下した。



「は、はい。」


その中で、茶色のさらさらした髪を持った剣士が前に出た。


アヤトが弟のように可愛がっている剣士だ。


噂でしか聞いていなかった城へ連れてこられたという月族を初めて間近で見る。


蒼銀の髪に真っ白な肌、華奢な身体つき…あまりにも綺麗なフィリシアを目の前にして、その剣士はドキドキと緊張していた。


「おい、何してるんだ!早くしろ!」