蒼い太陽

「闇族なら、絶対にわかったはずだ。


皆が気が付かない筈がない。」


少し落ち着きを取り戻したフィリシアが、ミシャに言った。


ミシャはにこっと笑みを見せた。


「こーれっ」


そう言うとミシャは両手で髪をかきあげた。


ミシャの耳が露になる。


ミシャの右耳には、オレンジ色の水晶が輝いていた。

そして、ミシャは右手に黒い水晶のついたピアスを持っていた。


「ピアス?」


「黒い水晶は闇族の気配を抹消し、オレンジ色の水晶は太陽族の気配を創る。


ゼオ様だけが創れる、気配を惑わす石…素敵でしょう?」


ミシャが髪をかきあげていた手を離すと髪はふぁさっと再びピアスを隠した。