━━━━━…漆黒の、闇。

何もはっきりと見ることの出来ない深い闇の中に、クスクスと笑う少女の声が響く。


「はい、全てが順調ですわ。このまま順調に行けば、あの月の力を消すことも可能かと。」


「っふ、やけに楽しそうだな。そんなにあの月が気にくわないのか。」


闇の向こうから、低い冷酷な男の声が響く。


「だって、いらないんだもの。」


クスクスと、少女はいっそう楽しそうに笑った。


「私達、闇の上に静かに光る月…。眩しい光。


私から、大切なものを奪おうとする光。アレさえなければ、美しい闇の世界が手に入るのに…」


あはは、と今度こそ声を上げて少女は笑う。