突如空間が裂け、無数の魔物達が現れた。


中庭は数え切れない程の魔物で溢れかえっていた。


魔物達のうめく、不気味な地鳴りのような声が響きわたる。


「レベルはこっちが断然上だ。ただ、この数はちょっとキツいな…」


アヤトは剣を構えた。


魔物達がアヤトとフィリシアを取り囲む。


じわじわと迫ってくる魔物達を前にして、自然と二人は背中合わせになっていた。


「城は結界で守られているんじゃ…?」


フィリシアは首をひねり、アヤトを見上げて尋ねる。

「あぁ、レガート様が結界を張っている。俺たちも結界を補佐しているから、かなり強力な結界になってるはずだ。 魔物が空間を裂ける筈がない。」


「……じゃあ、中からは?」

フィリシアはかすかに闇の気配を感じていた。