だだだだ…だだだだだだだだだ…


いつもなら静かな絨毯の廊下に、響くはずのない足音が響いていた。


「いたっ!!ユーウーっ!!」

ダリアは息を切らしながらなおも走り続けていた。


だんだんユウとの距離が近づく。


それにつれ、ユウのぎょっとする表情が大きく見えるようになる。


ユウは自室に入ろうとする所を、ダリアに捕まった。

「っはぁ!!あ、あ、アヤ、アヤト…」


ガシッとユウの服を正面から鷲掴みにし、ユウを見上げる。


ユウはそんなダリアに多少びくついていた。


「は!?ちょっ何!!落ち着けって!!」


「アヤトが…」