目で追うのもやっとの速さで剣を振る。


フィリシアはそれをやっとのことで避けながらも、今度はフィリシアが押され始めた。


ミシャはにっとフィリシアを見る。


それをみたフィリシアもにっと笑う。


二人の表情には余裕は感じられなかった。


フィリシアはふっと屈み、ミシャの脇を抜けると素早くミシャへ向き直り、風を放った。


「―っつ!!」


ミシャが顔を痛そうにしかめた。


ミシャの右腕には赤い血がつーっと流れている。


「はい、それまで。」


パンっパンっと手を叩きユウが二人を止めた。