2006年3月。

「神崎はるか」

「はい」

あたしは自分の名前を呼ばれると、壇上にあがり、校長先生から静かに卒業証書を受け取った。

(もう、この中学とも...お別れなんだ...)

卒業証書を人前で貰ったあたしは、席に座った。

次々と卒業生の名前が呼ばれていく。
知ってる人たちみんなが。
周りを見渡すと、泣いてる人も居る。

(なんか、すごい...変な感じ)

あたしは、泣かなかったのか泣けなかったのか判らず、一筋の涙も流れることなく、中学校を卒業した。

…と、まあここまで、いたって[普通]な学校生活をしてた感じになってるけど...

他人から見ると、[異常]って思われたと思う。

だって、あたし、ウツなんだもん。