灰色の竜胆



「ちょっと待って」


「…は?何?私?」


俺の声に振り返ったその娘は、
キツめだが
綺麗な顔立ちの少女だった。


「…あっ、と…」


「…」


いかんせん初めてだ。
俺が何から説明しようか迷っている間に、
彼女は俺を無視してフッと歩き出した。


「ちょっ…待てって!」



「いくら出せんの?」