「誰かしら?こんな時間に…」


その人はずっと校舎を見ていた。


「あの~もう下校時刻だから先生方はあまりいませんよ?どなたか用ですか?」


穂波先輩が声をかけるとその人はニコッと笑って


「いえ…明日ここに転入なのでどんなとこか見に来たんです」

「そうなんですか!!暗くて見えないでしょ?」


「大丈夫ですよ!!ありがとうございます」


「いえいえ!!それでは、私達はこれで!!ハルちゃん行こ」


「あ、はい」


「……ハル??」


「え?」


「あ…いえ、すみません急に」

「いえ…平気です……それじゃあ」



一礼して私達はその場を去った。