眉間にしわはないけれど少し不機嫌な顔をしている。



「遅せぇんだよ」



……言われるのは当然か。



「ゴメン」



長い階段を上がって上に出ても眩しいと思うだけ。


私の、トボトボスピードに合わせる大きな足に、私は悪いと思って口を開いた。



「私っ……」
「なぁ……」



「な・何?」


「お前から言えよ」



ぁ、じゃー…とチラチラ見ながら言った。



「工藤君、部室に用事あるんだよね?私ーコンビニ寄ってくから、遅刻したら大変だし、さき」


「俺も行く」


「ぇっ!ぃ・いやーで・でも!ち」


「間に合う」



もう言わせねぇ・と言ってる顔つきと口調で私はもうでも!と言えなかった。