空は雲一つない青空。


今日は、お祭りの中でも本祭りって事もあって、歩道は神社に向う人達で溢れている。


普段なら、約10分ほどで着く道のりも今日はもう少しかかりそう…。



「ねぇ、ル…。花…だけどさ……」


「ん…?何?」



前と後ろからの話し声で朱里の声がよく聞こえない…。私は、少し首を傾げて聞き返した。



「花火!川の方には早く行った方がよさそうだね!」


「うん!人、かなり集まりそうだしね…。でも、このままの天気だったら花火凄く綺麗だろうね!」


「うん!でも…」


「でも?」



突然、俯いた朱里を覗き込んだ。



「どうしよ…緊張してきた…」