「ルイ……」



霧島君のあいさつだけが聞こえた途端、朱里が小声で目配せする。


今はちょっと…と思ったけど、私はゆっくり振り向いた。



話し掛けんなオーラを放ち、工藤君が机に突っ伏している…



「……ルイ。あれと何か関係あったりする?」


「……するかも…」



頷いて答えると、朱里は肩をポンポン叩き、教科書に視線を戻した。



「……朱里…」


「ん?」


「私…頑張る」



図々しいかもしれないけど、謝って、ちゃんと話が聞きたい…このままじゃ、やっぱり嫌だから…。



朱里はニコッと笑って頷き、時計を見ると、そろそろチャイムが鳴るからと、手を振り席へ戻った。