「おい、言えねぇのか」



「…や・大和君って言うの…1年生の時同じクラスで」



すると、言ったのにも拘らず不機嫌さは更に増し、眉間にしわを寄せた工藤君。



「で、またって?」



「や・大和君とは…読んだ本の感想とか話すから、それで…」



ジーっと恐い目つきのままの工藤君は、私から視線を外し




「わりぃけど、帰るわ」


「えっ…?ちょっ…。
………何で…?」



どうしてか解らず、固まって動けなかった私は、工藤君が下りて行くのをただ見ていた。