「あれ、陸の靴」

「本当だ」



お姉ちゃんはお兄ちゃんの事を名前で言う。ママが言うには失敗したとの事。

リビングに入るとソファーにドカッと座り、タバコを吸ってるお兄ちゃんに



「何で来たの?」


「いいじゃないか、たまには」


ボソボソ会話するお兄ちゃん、お姉ちゃん。
そこへママが買ってきた浴衣を広げ



「ルイ!いいじゃないの〜」

「でしょ♪私が選んだの!」



「でもさ、ちょっと大人すぎない?お姉ちゃんならバッチリだけど…」




「「「いい!!」」」



バッと親指まで立てられ、何も言えなくなった私は浴衣を見て、そうですか……と言うしかなかった。