この学校へ来てよかったと心底思えること。


洋食が食べられるってことだろうな。


オレと天使様のために用意された寮は、やっぱり学園の敷地内にあり。
それぞれ番号にちなんだ寮名になっていた。


ちなみにオレたちは6号館。
『ろくろっくび館』
なんて、ちょっと不吉なお名前の寮に、多少凹みました。


なにもそこまでオカルトチックにならなくってもいいっしょ?
オレ、出来ることならもっとこの生活楽しみたいよ。


って思っていた矢先のことだったからさ。



なんで洋食が食べられるのがそんなに嬉しいことなのか?


オレんちは、何度も言うけどお寺さん経営です。

基本的に和食です。


いくら親父が影のキリスト教徒だろうと、食生活まではね、変わらない。


三つ子の魂なんとやら。


ほんと、その通り。


小さい頃からの味覚はすぐには直るもんじゃなく。


うちの朝ごはんにパンなんて出た試しがない。