味噌汁の匂いがする。


「おお、真理矢。よく眠れたか?」


朝の食卓テーブルには見事なまでにご飯とのりと味噌汁。
んでもって焼鮭が並んでいる。


学校の洋食スタイルなんてものとは無縁の我が家の食卓に、戻ってきたんだってことを実感させられる。


「やっぱ、おまえには学ランが一番だな」


味噌汁を飲みながら兄貴が言った。


二学期最初の登校となる今日10月1日。


一カ月ブレザーだったせいか、首元がすこし窮屈にも感じた。


懐かしいおふくろの味を堪能したオレは天使様とともに家を出る。


「行ってきまーす!!」



何も変わらない日常。
でも今日からは何かが変わるに違いない。


だって、オレ自身の気持ちが変わったんだから。