実は今晩…


オーナーの知り合いだとかいう女と、無理やり会わされる手筈になっていた。


言わば、見合いのようなもんで…。


この年になってもフラフラしている息子を心配してか…余計なお世話だ。


「何ならオマエが行くか?上手いもん食わせてもらえるぜ」


「私が女性と会ってどうするんですかぁ。花柳さんの為に設けた席なんですよぉ」


「…オマエさぁ。オレに結婚させたいワケ?会ったら最後、ババァの思うツボだろ」


舞に引き止めるのをやめさせる為に言ったのに


しかめていた顔を戻し、ニッコリ笑う。


更にオレの腕をしっかり掴んだまま離さない。