ちょっとムッとすると


学年主任の先生は、さっきの亜沙美ちゃんみたいに私の顔に近寄ってきた。


「…あの子はね、今年の始めに、進学校で有名な学校から移って来たんですよ。しかも退学させられてね」


た…退学ぅ!?


「後…先生が、さっき絡まれてた、あの生徒。


…黒谷も気を付けた方がいいですよ。


田中も、最近黒谷と一緒にいる所をよく見るし…


もしかしたらもう手遅れかも知れないですね」


学年主任の先生は奇妙な笑みを浮かべると、そのまま、気になる一言を残し立ち去って行った。





アイツにはね…
変な噂があるんですよ


…黒い噂がね





黒い噂?


何それ





先生に聞き返す間もなく


…次の授業の準備もままならないまま


無残にも、私の貴重な昼休憩は終了した…。