「は~い帰ります。横山先生に、田中亜沙美は体調悪くて保健室行きましたって言っといてね」


なるほど…。ここにそれ言いに来たんだ。


顔色いいし、全然体調悪そうには見えないんだけど。


…あぁ見えて、亜沙美ちゃん結構ズルッ子なのかな?


去って行く亜沙美ちゃんに、さっきの私の疑問を投げかけてみた。


「亜沙美ちゃん、…朱兎くんって、愛斗くんに…似てない?」


「…は?」


何て事ない…ただ、そう思ったから聞いてみただけなのに


亜沙美ちゃんの顔色が、一気に変わった。


「…先生、目ぇ悪いんじゃない?朱兎の方が全然カッコいいんだけど」


そう言い残すと、職員室の扉をバシッと思いっきり閉めて、出て行ってしまった。


あらら…。


何かマズい事言っちゃった?


…そうだよね、亜沙美ちゃんからしたら、愛斗くんも私もオジサンオバサンなのかな。


それを自分の彼氏と一緒にされたら…。やっぱ、ムカつくかぁ。