「全く妬かねーし。おもんねぇ。オレには亜沙美だけなのにさぁ」


朱兎は私に微笑むと、肩に手を回す。


「どーだか。私は別に、本命じゃなくていーから。その代わり、私が必要な時に現れてよね?」


「はっ。都合のいー男かよ。やっぱ亜沙美はこえぇな。…でもそこがまたスキなんだけど」


私に顔を寄せると、ふうっと首に息を吹きかける。


「…もぉ」


「…あ、さやか先輩みーっけ。オレちょっと行ってくる」


あっそ…


どーぞ、ご勝手に。


朱兎の女癖の悪さは、この学校に来た時から分かってた。


いつも連れてる女が違う。