「当たり前!もう、思い出すからやめて」


「ははっ。あ、そーだ。さっき職員室で亜沙美の知り合いセンセーに会った」


「あぁ…。知り合いって言っても、間接的な知り合いだよ?あんまりよく知らないし」


「…亜沙美が、アイツ気が強いっつーからさ、ちょっとからかってみた。そしたら、赤い顔して拒否ってたケド。


結構可愛い顔してるよな~。たまには大人のオンナもいっかなと思ったりして」


朱兎は嬉しそうに、今来た方向を振り返る。


「やめときなよ。あの人には…」


好きな人がいるから…って言おうとして、やめた。


何か朱兎に説明するの面倒だな。お兄ちゃんの話とかもした事ないし…。


お兄ちゃんと再会したあの日のみうさんの顔…、あれは普通じゃなかった。


…その前に、私の顔見て気絶するんだから相当だ。


お兄ちゃんの事…ずっと好きだったのかな。


「亜沙美さぁ…」


「え?」