「そんなさ……。亜沙美の母さんに悪いじゃん。将来の跡継ぎだって、必要だしさ……」


しょ、将来の跡継ぎ!? それこそ冗談じゃないよ。はっちゃんと……?


ムリなんだけど……。


「ごめん……。私、はっちゃんタイプじゃない」


「は? 亜沙美、それはなくね?」


「だって……しょーがないじゃん」


愛のないエッチは、できないよ。


もう、朱兎のときで懲り懲り。


エッチの後に、あんなに虚しくなると思わなかった。自分の中で膨らんだのは、愛斗への気持ちと罪悪感。


もう、あんな思いしたくない。自分にウソをつき続けるって決めたけど、これだけは譲れない。


「はっちゃんだって、私とムリでしょ。今さら……」


「いや、オレは全然ヘーキ。元々さ、亜沙美と仲良くなったんだって……キレイな子がいるなって思って、学校で声かけたんだしさ。

オレ、亜沙美と結婚できて嬉しいよ」


……とうとう頭やられちゃった? それか、お母さんの洗脳?