「亜沙美の手紙にはさ、もう二度と関わりたくないからこれで最後にする…って書いてあった。

だから、お礼も言えてねーんだよな。代わりに、亜沙美を恨んでそーなヤツらが手ぇ出さないようにしといてやった。

ま、そのぐらいかな。センセーに伝えたい事は」


「そう…。黒谷くん、声かけてくれてありがとうね。お父さんの事もだけど、…色々大変だけど、頑張って。私もお見舞いに行くから」


「やめてくれよ~。同情はいらね。

できるなら、アンタと同じ時代に生まれてたかったな…。亜沙美には悪いけど、センセーのがタイプ」


「えぇっ!?もうっ、またからかう~」


黒谷くんは、昔の愛斗くんにも似た微笑みで、マジだしー…って言っていた。


黒谷くんが選んだ道を…


後押ししてあげたいな。


学校辞めちゃダメだって、思ってたけど…彼が自分で決めた人生だから。


何が良くて、何が悪いかなんて…


所詮、他人の物差しでは計れない。


私は…


自分が叶えられなかった、優羽吾くんやカナちゃんとの事を…


生徒に託そうとしてただけなのかも、しれないな。