…驚いた。


自主退学の知らせを聞いた、


私の元へ…


その張本人がやってきた。








「セーンセッ」


久々見た…、


黒谷くんは、以前より少し色黒になっていて…更にたくましくなっていた。


それでも、意味あり気に笑みを浮かべる目元と、口調は変わらない。


「…黒谷くん、今どうしてるの?突然学校辞めちゃったから…びっくりしたし、亜沙美ちゃんも心配してたよ?」


彼は私を見てフッと笑う。


「亜沙美がオレの心配?まぁ、無理もないかー。あいつのおかげでオレの人生狂っちゃったし?」


ニヤニヤ笑い、私の前でしゃがみこむ。


今日は少し帰りが遅くなって、周りには他の先生はいない。


私の姿を街で偶然見つけてわざわざ声かけてきたのか、待ち伏せされてたのかわからないけど、


黒谷くんは顔色も良く、とりあえず元気そうで安心した。


「ごめんねー、センセーのお願い聞けなくて…さ。それだけ言いたかったんだよな」


「…え?」


「前にさぁ、学校辞めないで…って目ぇしてたじゃん。だからちょっと迷った」


そう言うと黒谷くんは、ニッと笑う。