亜沙美は完全にふてくされ、隣のボーズは今にも泣きそうな顔をしていた。


「…オイ、何やってんだ?オマエら」


亜沙美と気まずかったのも忘れ、思わず部屋の中に入り、そう声をかけた。


オレの声にハッとして振り向く亜沙美。


亜沙美の母さんも、頭を上げ…オレの顔を見た。


…何だよ、何謝ってんだ?


もしかして、例の襲撃の件かよ。


まさか…優羽吾が、話したのか?


そんな事したら、亜沙美がどういう立場になるのかわかってんだろーに。


「あぁ…愛斗。お詫びが遅くなって…本当にごめんなさいね。こんな事、今更恥ずかしくて顔出せたもんじゃないのに」


亜沙美の母さんは、涙目でオレにまで頭を下げていた。


「え…と。もしかして、アレ?」


うちのババァに目配せすると、大きくため息をつかれる。


「アンタも何で知ってて何も言わないの?うちの看板壊したの…この子たちだってね」


いや、タチっつうか…正確には、コイツだけだろ?


亜沙美の隣で涙を浮かべるアイツを睨むけど、オレの視線になんて気付いちゃいねぇ。