お母さんに無理やり連れられ、やって来たのは


ある、ファッションビルだった。



「お母さん、何のつもり?」


「何って…下品な制服着てるから、お直しをね」


「…はぁ?ヤだからね」


「着くずしすぎよ。お母さんが、亜沙美に似合う制服を、ちゃんと見つけたんだから」


そう言うとお母さんは、私をビルの中に連れ込んだ。


何でこんな所に制服が?









「あら!田中様、早かったんですね」


「いえねぇ。この子がもっとグズるかと思ったら、意外と素直だったんですよ」


グズるって…赤ちゃんじゃないし!


もぉ、恥ずかしい。


店員さんは私の顔を確認すると、にっこり微笑んだ。


「まぁ!奥さんそっくりね。姉妹みたい。美人親子で羨ましいわぁ」


姉妹だなんてとんでもない。しかも、似てませんからっ!


私がそう言うと、お母さんはウフフと笑ってるだけ。